皆さんは近年注目されている「地熱発電」をご存知でしょうか？この次世代技術と言われる「地熱発電」は二酸化炭素を出さずに安定した発電ができるのが特徴です。
今回は「地熱発電」のメリットやデメリット、またその他の現在の日本の発電方法についてまとめました。
「地熱発電」とは？
「地熱発電」とは、地下のマグマの高温で温められた水や水蒸気を使って発電する技術のことを言います。
「地熱」という名前から熱によって発電を行っているようなイメージを持たれるかもしれませんが、「地熱発電」は熱を使って生み出された蒸気を有効活用して、タービンを回して発電するといった方法となります。
日本は世界で見ても火山大国であり、地下に眠るマグマが多く存在しています。
このマグマは数千℃といった温度にもなり、その日本に恵まれた資源を有効活用できるといった点も相性が良い理由です。
次世代技術「地熱発電」のメリット
地熱発電の最も大きなメリットは、24時間365日発電しつづけることができるという点です。
地下に埋まった熱を利用するため、風力発電や太陽光発電などと比べて天候によって発電力が左右されることがありません。
そのことにより常に安定した発電を行うことができる点が最大のメリットと言えます。
もうひとつのメリットは、二酸化炭素をほとんど出さないといった点です。火力発電では火のエネルギー。原子力発電では原子のエネルギーを使ってタービンを回すことで発電しています。
このどちらの発電方法も非常に似ており、火力や原子を力で熱を発生させます。
そして、水を水蒸気に変え、この水蒸気の力で発電しています。
一方「地熱発電」では自然の熱を利用するため、この熱を生み出す工程が必要ありません。
このことにより、二酸化炭素を出さないエコロジーな発電が可能というメリットがあります。
次世代技術「地熱発電」のデメリット
多くの優れたメリットがある「地熱発電」ですがデメリットも存在しています。
そのひとつは、開発のリスクがあるという点です。
「地熱発電」を開発する際にはその元となる「地熱」を掘り当てることが必要となります。「地熱」は当然地中に埋まっているため、目視での確認ができません。
そのため、地上から「地熱」のある場所を計算し、掘り始める必要があるのですが、掘り当てることのできる確率はおよそ2〜3割程度だと言われています。
また、井戸を一本掘るために数億円の費用がかかると言われている点も開発のリスクが高いと言われる理由です。
もうひとつは開発する土地に対する問題がある点です。
「地熱発電」に必要なマグマ資源が豊富な土地の多くは、その「地熱」を利用した温泉街や国立公園などに既に利用されているケースが非常に多くなっています。
こうした土地に新たに発電所を設立するのは非常に困難であることが、開発のハードルが高くしています。
その他の現在の日本主な発電方法
「火力発電」
現在の日本の約70％以上を占める発電方法です。
石炭や天然ガス、石油などを燃やして熱を作り、その熱を使って生み出した水蒸気でタービンを回して、電力を生み出しています。
天候に左右されずに発電できるというメリットがあることなどの理由により、日本の中心となる発電方法です。
「原子力発電」
現在の日本の約7〜8%を占める発電方法です。
「火力発電」とほぼ同様で、熱を生み出す過程を核分裂の力を利用し、電力を生み出しています。
もともと日本の約30％の発電を占めていましたが、東日本大震災後の全国の原発停止などの影響もあり、現在のこの割合となっています。
「太陽光発電」
現在の日本の約10〜12%を占める発電方法です。
ソーラーパネルに太陽の光を集め、集めた電子の中から電力を取り出す発電方法です。
二酸化炭素を出さないというメリットがあります。しかし、曇りや雨の日など、天候に左右されるというデメリットもあり、全体の発電割合としては低くなっています。
「風力発電」
現在の日本の約1〜2%を占める発電方法です。
大きな羽を風力により回転させた、回転の力で電力を生み出しています。
「太陽光発電」同様二酸化炭素を出さないというメリットがあります。
しかし、風が弱い日、または強すぎる日などは発電が出来ないなどと、こちらも同様に天候に左右されるため、全体の発電割合は代表的な発電方法の中で最小となっています。
まとめ
今回は次世代技術と言われる「地熱発電」についてまとめました。
太陽光発電などの再生可能エネルギーが課題とする、安定した発電ができる点が「地熱発電」の最も大きな強みだと言えます。
また、日本の豊富な資源を利用できるというメリットもあるこの新たな技術は、今後さらに広まっていくかもしれません。
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