自民、維新、公明の3党が11月13日から段階的にガソリンの値下げを行う方針を発表しました。
この補助金追加の背景には旧暫定税率の廃止計画がありました。今回はガソリン価格の内訳やこれまでの旧暫定税率の流れについて詳しくまとめました。
今回発表された政府の今後の方針について
今回発表された自民、維新、公明の3党の方針は2025年11月13日より補助金を段階的に増やしていき、4週間後に合計15円の補助金を追加するというものです。
今回発表された方針計画は以下の通りです。
・1リットルあたりの補助金を
11月13日から5円追加
11月27日にさらに5円追加(合計10円)
12月11日にさらに5円追加(合計15円)
にする計画です。
この合計15円の補助金を追加する理由は、現在議論されている旧暫定税率の廃止が大きく関わっています。この旧暫定税率は現在ガソリン1リットルあたり25.1円が課せられています。
現在のガソリン1リットルあたり約10円の補助金に加えて今回、新たに約15円の補助金を追加し、合計約25円にしようというのが今回の方針の理由です。
旧暫定税率については、来年4月の廃止を目標としており、それまでの期間は補助金で対応する方針です。
また、軽油も同じように段階的に補助金を増やしていき、2週間後に7円の補助金を出し、合計を旧暫定税率引き下げ後と同じ、約17円にする方針であることが発表されました。
現在のガソリン価格の内訳
現在、ガソリンの全国平均レギュラー価格は1リットルあたり約170円〜172円となっています。現在は国からのガソリン補助が約10円程度あるため、本来は約180円~182円という価格になっています。
このガソリンの1リットルあたりの価格の内訳は、本来のガソリンの価格にプラスして、ガソリン税、ガソリン税の上乗せ分(これが現在議論されている旧暫定税率)や石油石炭税、これらに消費税を加えたものが現在のガソリン価格となっています。
現在の平均価格から1リットル180円としてこれらの内訳金額を見てみると以下と通りになります。
| ガソリン税 | 28.7円 |
| 旧暫定税率 | 25.1円 |
| 石油石炭税 | 2.8円 |
| ガソリン価格 | 107円 |
| 合計 | 163.6円 |
これらの合計金額の163.6円に消費税10%が課されて現在の価格の約180円となります。
これが現在のガソリン価格のおよその内訳となっています。
旧暫定税率はなぜできたのか
旧暫定税率が出来た背景には、1974年に高度経済成長による急速な道路などの整備が必要となり、国が大幅な財源が必要となったため、特定財源を確保するという目的で作られました。
当時は期間限定的に徴収するという形で、期間終了後に廃止される予定でした。
しかし、継続的に財源が必要だという理由から延長が繰り返され、現在に至るまで廃止されていないことが問題視されています。これが、現在議論されている主な理由です。
これまでのガソリン価格の流れ
1966年での1リットルあたりの価格は約50円というデータがありました。その後2度のオイルショックなどもあり、1982年は約177円まで価格が高騰しましたが、その後は逆オイルショックが起きたことで価格が下落し、近年また価格が高騰傾向にあるという流れです。
最初の高騰の理由としては、1973年頃に起きた第4次中東戦争の影響が大きいと言われています。しかし、これを機に中東に頼りすぎない政策方針に舵を切り、その成果により1990年頃から価格の下落傾向になりました。
過去年度別のガソリン価格は以下の通りです。
| 1990年 | 約137円 |
| 2000年 | 約106円 |
| 2010年 | 約133円 |
| 2020年 | 約136円 |
| 現在 | 約180円 |
この他にも、過去1年毎のガソリン価格を見てみると過去30年間で最もガソリン平均価格が安かったのが、2002年の約104円でした。
逆に過去30年間で最も高かったのは現在の約180円でした。
こうした背景もあり、現在多くの話題や議論が起きていると言えるでしょう。
また他の軽油やハイオクも価格の年度別の変化はレギュラー価格とほぼ同じような値動きでした。
まとめ
今回は現在進んでいるガソリンの値下げの理由や、問題視されている旧暫定税率やこれまでのガソリン価格についてまとめました。
今回のガソリン値下げの背景には、今まで放置されてきた旧暫定税率の存在がありました。ガソリン価格は私たちの生活と強く結びついているものであり、これからガソリン価格がどうなっていくのか。今後の政府の対応に注目が集まります。


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